「山の神」は、山を納める神様で、祀り手によってその性格は微妙に変わっています。
「山の神」と「田の神」の交替説を唱えた学者は、「山の神」は、春には里に降りて「田の神」となり、秋は山に登って「山の神」になるとともに、「山の神」は家の祖先神と同格であるとも言われています。
今、村内では、「山の神」を祖先神と言う所もないようで、むしろ、「山の神」は山の上もしくは山麓部分に祀られ、山仕事を助ける神と考えられているようです。
通常は、女性神であり、平年は、12本の御幣をご神体とし、閏年は13本の御幣を祀るということから、歳を司り物を産み出す神と考えられていたのかも知れません。歳の実を「稲」との考えもあることから、稲作を司る神と考えていたとも考えられます。
桑原では、12月13日に、「山の神」さんの祭りが行われます。
「山の神」のお供えに粳米をついて、細かくして固めた「おしろい餅」を稲わらで作った「ツト」に入れ、家の男の数だけ山の神に御供えします。
「山の神」さんでは、年番当番によって大きな火を焚いて、餅を焼く準備がおこなわれ、お供えの後に焼いて食べます。